Lago di Garda2013~穏やかな湖畔

Lago di Gardaガルダ湖。

ここは、オリーブオイル生産の北限と言われています。
実はもっと北でも生産はされていますが。

ある生産者を訪ねました。

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彼らのオイルはとても穏やかなオイルです。
でも、香りはかぐわしく、最後に少しだけ辛みを感じます。穏やかなオイルは往々にして酸化しやすくクオリティを保つのが難しいのですが、彼らのオイルは常に美味。

そんなオイルを作り出す、オリーブ畑、搾油所、そして何よりも「人」を知りたくて訪問しました。
もちろん初対面ですし、輸入業者でもなんでもない私ですが、ソムリエとしてどんなことをしているのか、彼らのオイルが好きなこと・・を拙い文章でメールし、アポを取り付けました。

駅まで迎えに来てくれることにはなっていても、メールをやり取りしていた長男の二コラは海外出張中。伝わっているのかドキドキしながら列車を降りました。
そこに迎えてくれていたのは、大きくゴシック体で私の名前を印刷したA4用紙を恥ずかしげに掲げていたシモーネ。
お互いを認識した時のあの嬉しさ。大きく笑顔を交わしました。

彼らの会社に着くまで少しづつ話をしました。
あいにくの曇りでガルダ湖の美しい景色が見せられないことをしきりに残念がっていました。
でも、今朝まで天気予報は雨だったのですから。

会社に着くと、すれ違う誰もが笑顔でBuongiorno!と迎えてくれます。

すぐさま搾油所に案内してくれたのが、お父様のアレッサンドロ。大きな音を立てて稼働している搾油機が並ぶ中でこれまた大きな声で説明してくれます。
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搾油所の中はきれいに掃除され、余分なものはありません。
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最後の行程。美しい翡翠色の糸が流れ出る。
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搾油所自体はさほど広くなく、システムも特段変わったところもなく、あっという間に説明は終了。
10分いたでしょうか。

ちょっと拍子抜けしたくらい。これでさよならかぁ。うーん・・・と思っていたら、

「カンティーナ(ワイナリー)も見たいか?」と聞かれ、「もちろん!」と即答
もともと彼らはワイン生産者。オイルは二次産業です。
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ワインを説明し始めた途端に饒舌になるアレッサンドロ。搾油所と違い静かなカンティーナですから説明も長くしてくれますし私も初めて見るもの、聞くことが多く、質問が多くなります。
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物凄い広さのカンティーナ。地上階には近代的な設備。
上階にはパッシートと呼ばれるデザートワイン用のぶどうの陰干しスペースや、試飲会用の大きなサロン。
地下には樽が。
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この空間の先には更に広いスペースが。80年以上昔の道具や写真を見ながら、まるで迷路のような場所をめぐるとあっという間に1時間近く!


オリーブ畑を是非見たいと言うと、即連れて行ってくれました。


彼らの家族の礼拝堂もある農園。
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静かでした。鳥がさえずり、下草はまだ朝露が残り。

オリーブの樹はたわわに実をつけています。

土地の品種を中心に数種類があります。中には、Legina di Gardaガルダの女王という名前のオリーブの樹もありました。女王というだけあり、貫録が。
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会社に戻ったところでアレッサンドロが、時間があればお昼を食べていかないか?と。
もっちろん時間、ありますとも。(笑)


ここにはレストランもあり、その担当である三男フランチェスコがすでに用意してくれていました。
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肝心な物を忘れた!と息を切らして汲みに行ってくれた搾りたてのオリーブオイルも。
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なにを飲みたいかと聞かれ、つい(笑)、泡と答えました。
彼らが作るフランチャコルタ、飲んでみたかったのです!
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生ハムの盛り合わせ、カルパッチョに似た牛の塩漬け肉のタリアータ。
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このタリアータ、初めて食べましたが、美味!
フランチャコルタと共に。贅沢なランチです。

それも若くてハンサムな男性と。

贅沢~♪



昨日30才の誕生日だったというフランチェスコ、見た目はもっと若く見えますが、話してみると流石、経営者側の立場です。いろいろなことを見ていますし考えています。そして何より、仕事に情熱を持っています。

知的な彼は、私の乏しいイタリア語を補って理解してくれます。
「早すぎる?もっとゆっくり話すね」と言いながらも、熱が入ると早い。オリーブオイルのことならば、単語もわかりますが、ワインのことは全くの素人。

フランチャコルタの酔いも少しまわり、まったく話が理解できず、ただ彼を見つめているだけの時が。(笑)



ゆっくりと贅沢なランチを取った後は、お父様アレッサンドロが違う場所のオリーブ農園に連れて行ってくれると言います。
もちろんお願いしました。

午前中の畑と違い、こちらは自然の林に囲まれた場所。
ちょっと行けばもう湖です。
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まさに自然に囲まれた畑、というより里山の一部がオリーブ畑になっているイメージです。
オリーブの樹に蔦がからまり、赤い実をつけていたり、下生えにはキノコが生えていたり。
また違った雰囲気のワイルドなオリーブ畑でした。
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「時間はある?」
とまた聞かれ、今日はここに来る為の一日だからと答えると、アレッサンドロはにっこり。

とっておきの場所、湖が一望できる場所に連れて行ってくれるという。

紅葉した葉を眺めながら、湖沿いの遊歩道をしばらく歩きます。打ち寄せる水音は、湖のリズム。
遊歩道といっても、整備されているわけではなく、通る人が踏み固めた小道。
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しばらくすると開けた場所に。
断崖の上でした。とても下は見られません。

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秋晴れとは言えず、雲と霧がかかっていたため、残念ながら一望というわけにはいきませんでしたが、湖と空の境がぼわっとしていて、幻想的。



歩きながらアレッサンドロが、ここがどんなに素晴らしい場所か話してくれます。
湖で泳ぐこともできるし、魚釣りもできる。こうして山歩きもできる。訪れるのならば、観光客であふれる夏を避けて、5月か6月が良いという。その頃ならばすでに泳ぐこともできるからと。

うーん、絶対また来たい!

しかしイタリアの人は、本当に自分の地元が好きで、地元自慢をします。
民族性でしょうけれど、謙遜を美とする日本では必要以上に自分の地元を過小評価することが多いのかも。


長くなりました。

けど、まだ続けます。(笑)



思いがけず体験した、美しい水辺の散歩。美味しいランチの後の、素晴らしい散歩でした。


流石に、この忙しい時期に、これ以上彼らのお邪魔してはいけないと思っていたら、更にもう一か所、今収穫中のオリーブ畑と、ぶどう畑も見せてくれるといいます。
今度は、昼食を一緒にした三男フランチェスコが。

もちろん行きます。

若者らしい運転で向かったのは、また違った雰囲気の場所。
なだらかな斜面に、ぶどう畑がひろがり、周囲をオリーブ畑が囲んでいます。

収穫中の畑には、機械が入っていました。最近購入したという。
リモコンで動かし、上の方も軽々と収穫していきます。これが手摘みですと梯子が必要です。
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機械と言ってもいろいろありますが、とても丁寧に収穫しています。しかも、誰もが陽気。
この後の旅でもいろいろな収穫を見ましたが、仕事ですから楽しそうと言っては変ですが、彼らは楽しそうでした。
仕事に苦労やつまらないことはつきものですが、そんな中でも楽しみを見つけることは大切ですよね。


しばらく見た後、そこを離れ更に歩きます。
「山を歩くのは平気?お気に入りの場所があるんだけど見たい?」と聞かれ、「もちろん!」と。


秋の午後の光が柔らかく照らす中を、彼の説明を聞きながら歩きます。
そう、このころから晴れてきたのです。光に照らされたオリーブ畑、ぶどう畑。何度、美しい!と言ったことでしょう。
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拡張した新しいオリーブ畑を見たり、ぶどうの品種や仕立て方の違いを見たり。話も、オリーブの事からぶどうの事、そしてここでの生活の話や、お互いの子供のころの山遊びの話。
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彼のお気に入りの場所は、そこだけ少し低くなって、周囲を囲まれたぶどう畑。もともと風のない日でしたが、そこはさらに静か。何も聞こえてきません。
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平和。という言葉が浮かんできます。


傾きかけた柔らかい光が、色づいたぶどうの葉を照らす静かな静かな時間。素晴らしい時間。
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オリーブ畑、カンティーナ、湖、森、ぶどう畑。忘れられない一日。

美しいこれらを体験させてくれた彼らに、感謝してやみません。

本当に感謝。ただ、ただ、その一言です。




彼らの名はAvanzi
素晴らしい方達でした。穏やかで、優しく、まるでこの秋の日の午後の柔らかな日差しのような。



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この記事へのコメント

  • だいぼー

    今回も「旅は人」だったようですね。
    あっ「泡」もか…笑
    2013年11月05日 19:29
  • だいぼーさんへ。

    そうです。今回も人!
    行くところ、行くところで本当に良くして頂きました☆

    で、泡も。ワインも!この後の場所はまるでワインの旅です。(笑)
    2013年11月05日 19:47
  • CHAR

    美味しく、美しく、懐深い人々・・・旅のだいご味を堪能されたよう。
    探究心を明確に持つvinoさんだから味わえるんだろうな~
    2013年11月06日 12:37
  • CHARさんへ。

    行く先々で良くして頂き、美味しい料理を食べ、本当に醍醐味を味わいました。
    探求心…確かにあります。それ以上に、貪欲な食欲と図々しさも!(笑)
    2013年11月07日 08:33
  • MONTA

    環境も人も穏やかで、かつ時間も穏やかに流れている印象の所ですねぇ。
    自然の中で生活し、その中でオイルやワインを作っていると言えるでしょうか。
    人々もフレンドリーですし、食べ物もおいしそうです、勿論泡も!
    もしかすると、ストレスの無い環境でオイル等を作ると、それが味として表現されるのでしょうかねぇ~。
    2013年11月07日 19:06
  • smile

    vinoさん お帰りなさい!
    今回も素敵な旅 大いなる収穫のある旅だったようですね。

    美しい翡翠色のオイルに…うっとり!
    オリーブオイルの色ってこんなに美しかったのですね。

    湖と紅葉の画像はまるで水彩画の様で…素晴らしい!
    何時間でもこの空間にいたい気分になりそうです。

    秋のブドウ畑はまるでミレーやモネの世界に入り込んだようです。
    イタリアの秋も美しいですね。

    農園の方々の暖かい「お・も・て・な・し」
    本当に良かったですね。
    2013年11月09日 09:15
  • MONTAさんへ。

    本当にそうなのです。穏やか。時間も人も、気候も。
    北ですが、温暖なのでオリーブもこうして大規模に栽培可能なのです。
    この息子フランチェスコも、田舎が好きで、都会に出掛けると頭が痛くなるそう。(笑)

    こんな気候と人たちに育てられたオリーブは健康で、ストレス無いでしょうね。そして搾油も。直接的には機械がオリーブオイルを抽出するわけですが、それを使う人間、あせりやいらつきなく無理なく機械を動かすこと、これって実は味に関係してくるのです。
    特にオリーブオイルは温度が大切なので。加熱しすぎた機械はNGです。
    おっしゃるとおりなのです。
    2013年11月11日 00:17
  • smileさんへ。

    ただいま~。ありがとうございます☆
    絞りたてのオリーブオイルはまるで抹茶のようですよ。香りも草や木の香り。素晴らしいです。

    ガルダ湖、本当に美しくて、来年また良いシーズンに行きたいな、と本気で思っているところです。(笑)
    ブドウの葉の紅葉、オリーブの葉の緑。色々な木々コントラストと光りがとても美しいです。

    たしかにとても温かいお も て な しを受けました。
    一生忘れることは無いと思います。
    その意味でもこうしてブログにすることは大切ですよね。
    2013年11月11日 00:20

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